2008年9月26日金曜日

トヨタUDワークショップ サブミーティング





24日はお台場は東京テレポートにあるMEG@WEBにあるトヨタユニバーサルデザインショウケースにてトヨタユニバーサルデザインワークショップのサブミーティングに行ってきました。

このワークショップは今年の五月から始まり、最長で来年の二月まで続く長期スパンのワークショップです。
コンセプトの立案、夏期休暇を利用したユーザー調査、それを受けてのデザイン提案をし、11月の最終プレゼンテーションで、いいデザインであると認められればモックアップを作成してもらえ、ショウケースにて一年間展示をしてもらえるというものです。

今回は、せっかくの機会なので、お互いに刺激をもらうために山崎研究室と、お隣の感性デザイン研究室の生徒さんと、三年生の有志が混ざっての混合チームとして参加しました。

今年のお題は「パーソナルモビリティ」ということで、各チームフィールドワークをし、そこから得られた気づきをもとにどんなモビリティをつくるのかを検討してきました。

今回のサブミーティングでは、夏休み中に行ったユーザー調査の結果から得られたものをもとにデザインの指標を発表し、各講師陣からアドバイスや意見をもらうというものでした。



自分たちは、今回のデザイン活動を、人間中心設計のプロセスを使い、ペルソナ、シナリオ手法を使っていくことにしました。

その理由としては、人間中心設計のプロセスがそのままUDにつながる部分があるということと、それぞれ別のタイプの人間があつまり、デザイン活動をしていくということで”情報の共有化”を図るためです。

僕のチームは、HCDや情報デザインを学んでいる自分と、感性デザインの研究室でカーデザインを専攻している人、三年生は、グラフィック系のデザインを志望している人と異なる分野の人間が集まっているのでとても刺激をもらっています。

今回は各チームのデザイン指標を発表したわけですが、その中で気になることがいくつかありました。

夏休み中に得たユーザー調査の結果や、行政からもらってきた調査報告書などがあったのですが、そのデータってどのくらい信用できるものなんだろうかと思ったわけです。

例えば、ユーザーの行動パターンや、アンケート調査などでデータを持ってきましたと言われても、

だからどうしたいの?となっている部分も多いように感じました。

あれですよね、参考書を買って勉強した気になるっていうパターンです。

前にも書いたと思うのですが、プロセスに従ってユーザー調査をしました。テーマに関連するデータをもらってきました。ガイドラインに沿って実験や分析をしました。

といったところで、それでどうしたいの?というふうになってはいけない。

まさしく先日のインフォメーショングラフィックスについての話と本質は一緒だと思うのです。

データを手に入れました。じゃあそれをどう生かして、どうアウトプットに落とし込むのか。

また、そのデータは本当に信頼していいものなのかということも考えるべきなのではないかと思います。


僕はどうしても穿った見方をしてしまうのですが、企業や行政の出すデータをどこまで信用するべきだろうかと思うのです。

今回は行政のだしたデータでしたが、自分たちの行動(インフラ整備)によって安全性が増したかどうかの評価結果だったのですが、その評価自体が、いったいいつ、誰が、どうやってどんな状況で、どんな方法で行ったものなのか。

また、インタビューやアンケートの質問項目はどういった内容だったのかというところまで見ないと僕個人としてそれって自分たちに都合のいいように設定してるんじゃないかと疑ってしまいます。

特に調査や評価を行う際には仮設は必要なわけですが、その仮説に引っ張られて自分の都合のいいように調査や評価を行っているケースも多い気がします。(学生、行政、企業関係なくですが)

手段と目的が反転するというのはどの段階で、いつになっても起こりうるのかもしれません。

そのつど注意していかないといけないですね。




話は変わるのですが、りんかい線 東京テレポートの駅のエレベータですが、

この上の光っているのは実はボタンではなくただの表示で、下の車いすマークの上のボタンが実際のエレベータを呼ぶボタンになっています。

なんかもうちょっと考えたり、簡易的にでも評価を行えばわかりそうなものなのにひどいデザインです。

公共機関でのわかりやすさ、使いやすさというのはまだまだ放置された状態に近いのかもしれないですね。