人が物事を評価する時にはいくつかのアプローチがあるのではないかと思いました。
例えば、Aという商品に対しての評価を下す際に
1.色が好きだから良い
2.流行っているから良い
3.テレビで言っていたから良い
4.Bに比べてAが良い
という四つの評価を下したとするとそれぞれ違った判断基準のもとに下された評価になります。
仮のこの判断基準を点Pとするときに
1番の”色が好きだから良い”は自分の経験を通しての主観的な判断になります。
純粋に造形や色の個人的な好みであったり、経験や習慣などからくる主観的評価になると思います。
2番の”流行っているから良い”は、自分がステータスを得る、もしくは周りみんなが持っているのだからいいものなんだろうという推測からの評価になります。ここではあくまでも判断基準は自分にあり、いったん世間的な流行と自分の現状とを照らし合わせての評価になるのではないかと思います。それは「これを持っているともてるんじゃないか」とか、「みんなが良いって言っているから買っても外れないはず」というようなものです。
3番の”テレビて言っていたから良い”は、他人の評価を自分の評価として取り入れている状態にあり、
「テレビで専門家がこう評価していたから」とか、「口コミサイトでいいって書いてあったから」といったようなAという製品を買うことに対する理由づけとしてつかわれるのではないかなと思いました。
最後に四番の”Bに比べてAが良い”という評価は、その場において見た目や機能などをAとBの間で比較して評価を下す形になっています。一対比較評価ですね。ここでの点Pは純粋に対処となるものの差異によって評価され、それを最終的に個人の好みや目的に照らし合わせて評価します。
インタビューやユーザー評価を行う際に、協力者に対して不必要な情報を与えることは先入観を与えてしまい良い評価を得辛くなるといわれますが、その先入観とは、きっとここでいう点P(判断基準)なのではないかなと思いました。
こうして考えてみると一対比較を行っている4番のような評価の仕方はあまりにも範囲が狭すぎて使いどころに困るなという印象を受けました。
「当社比30%増量」にしたって、あくまでも社内に「Aよりも30%少ないB」を用意すれば済んでしまう話なのであくまで主観的な話になってしまいます。
最終アウトプットまでにプロトタイプを三つ作り、そこからさらにひとつに絞り込むというときなんかには逆に簡単に評価できていいのでしょうけれど。
単純に手法や手順だけを覚えるのではなく、ユーザー評価などを行う際に、その下される評価がどういうロジックのもとに下されたものなのかを知ることって大切なのかもしれないですね。